動くクッキングハウス in 新潟県佐渡市
10月27日、真野の古い旅館・伊藤屋さんにて、主催者の精神障がい者家族会 佐渡よつば会のご家族、サウスクラブ(就労継続支援B型)の小庭さん、保健師の渡辺さん、今回の講演が実現できるように働きかけて下さった梶井さんとの顔合わせ夕食会。
<家族の方々の長年の苦労>
家族会の方々が「ずっと楽しみに待っておりました」とやさしい笑顔で迎えて下さった。子どもが統合失調症になり、どうしていいかわからず悩み抜いたこと。その時、家族会があることを知り、そこに参加すれば苦しいことを何でも話せてどんなに救われたか。家族会があったからここまでやってこられたこと、それぞれのご苦労を語って下さる。オープンダイアローグのことを知り、子どものことを本当に理解してもらえると希望につながったこと。「早く日本の精神科医療で実現していくことを願っているので、ぜひ松浦さん、明日の講演で『オープンダイアローグ』のことを話して下さい」と語る母親もおられる。「具合の良くない息子が新潟の病院に入院して治療してもらうことにしたが、これからどう息子を説得したらいいか。本当に困っています」と高齢のお父さん。
家族の方々が長年、子どもの病気の回復のためにどんなに苦労してこられたかを思うと頭が下がる。今回の講演では、全身で心を込めて話し、少しでも希望を届けたいと思った。引きこもり青年が仲間をつくって交流できるようにと、活動している『ごちゃまぜの会』、障害福祉サービス事業所、地域の方々をつなげる事務局をして下さっている保健師の渡辺さんは、落ち着いた行動でとても頼もしい。
<強い潮風 ミネラルいっぱいのお米をつくる梶井英明さん>
毎月レストランに玄米を送ってくださる小田(こだ)に住む梶井さん。大佐渡の高い山々の北側の段々畑と田んぼ。斜面を下ると海という土地。強風で家の窓の枠にも塩がいっぱい吹きつけられるという。梶井さんの親の代では急な斜面の田んぼで相当の重労働だったとのこと。お米はミネラルいっぱいで甘味があり、おいしい。私たちのレストランに毎月、玄米を送るために保管しておくのも大変なことだとわかった。今までこんなにも厳しい土地でお米を作られていることを想像していなかったことが申し訳ない。毎日、心を込めて玄米ご飯を炊いて、メンバーたちやお客様に味わって食べてもらおう。感謝を込めていただきます。
<講演・リカバリーストーリー・SSTワーク>
10月28日、午前8時半。会場のアミューズメント佐渡、はまなす中ホールに昨夜の交流会で会った家族会の方々、佐渡市の関係者の方々が講演会準備。大きな吊り看板、大きな舞台と演台と花にもびっくり。9時半から11時半まで2時間の講演。38年の心の居場所クッキングハウスの実践の中で大切にしてきたことを、つとめて明るく話した。皆さんが熱心に聴いて下さり、質問の手も挙がる。昼は本のサインや足りなくなった本の注文を受けながら作業所のカレーライスを早食いする程、忙しい。
午後一番は長岡の一歩の会のメンバーや、佐渡圏域のピアサポートのメンバーが、リカバリーストーリーを語る。相当緊張しながらも一生懸命原稿を読んでおられる姿に心打たれる。後半はコミュニケーションワーク。50人もの大きな地球のような円陣ができた。チャームポイントで自己紹介。2人1組で幸せ回し。全員で『もう一つの地球』。佐渡の皆さんの想像力の豊かなこと。佐渡は文化の深い歴史の土地なのだと思う。そしてSSTに。最後のシェアリングも2人1組で行う。15時前、もう帰らなくてはいけない。高い波と風。船が出ることを渡辺さんが確かめて下さり、タクシーで両津港へ。運転手さんに「佐渡のお米をいただいて玄米食のレストランでランチをつくっています。甘くておいしくて、みんな喜んで食べて下さっていますよ」と話すと、「佐渡のお米を食べていただき、ありがとうございます」と深々とお辞儀をされてしまった。
東京23区の1.5倍の広さ、豊かな平野も広がる。4万7千人余りの人口、過疎化が進み、学校も統廃合が続く現状。佐渡のあたたかい人たちにまた会いに行こう。
(松浦幸子)
この度は遠路、海を越えて足をお運び戴きありがとうございました。荒天のため、お帰りの高速船は大変だったのでは無いかと心配しておりました。今回の講演並びにワークショップは、私どもが活動する上で足りていない隙間を埋めて戴いた様に感じました。参加されたメンバーからは、「何で松浦さんの前だと話しやすいんだろう」と、色々得るものが多かった様でした。私共も、自分たちで出来る食を通して一歩前に進められる様、活動してまいります。 (サウスクラブ・小庭直樹)
<レストランより>
玄米食ランチ 価格改定のお知らせ
いつもレストランをご利用いただき、誠にありがとうございます。諸物価、経費の値上がりにより、ランチの価格を改定させていただくことになりました。これまで、お食事とデザート(コーヒー・紅茶・手作りヨーグルト・手作り黒糖生姜寒天)を含めて1,000円でしたが、今後はお食事のみで1,000円、デザート200円とさせていただきます。何卒ご理解いただけます様、よろしくお願い申し上げます。
メンバーの接客が社会参加の機会に
また、価格改定に合わせ、「食事」と「デザート」のご注文を別々に承ることにしました。今までの注文方法では、内容が複雑すぎて、新しいメンバーが接客に参加することが難しくなっていました。そこで、よりシンプルな注文方法に変えることでメンバーも、もっと接客に参加しやすくしていきます。お客様との会話は、人間関係を楽しく思えるいい経験になり、社会参加というリカバリーになります。
これからも、おいしい手作りご飯と、語り合いを楽しむことのできるレストランを目指して、皆様のお越しをお待ちしております。 (松浦幸子 レストランスタッフ一同)